今年もお世話になりました。
2022年は、住宅遺産トラストにとって忘れられない年になりました。春にこれまでの活動について学会賞(業績)をいただき、また継承されたいくつかの住宅遺産が複数のメディアでまとまって紹介され、この10年(吉村順三の園田邸の活動を含めるとちょうど15年)の総括となりました。
住宅遺産トラスト内では、これまでの歩みを振り返りつつ、未来へ向けて何ができるだろう、私達の組織自体の継承についての議論も交わされています。
今後共、さまざまに皆さまのご教示お力添えを賜れましたら幸いです。
新年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ佳いお年をお迎えください。
◎住宅遺産トラスト代表・野沢正光(12/23FBから部分転記)より
年末ですね。ちょっと振り返りますね。
今年は「住宅遺産トラスト」が関わるいくつかのモダニズム住宅の継承と改修がメディア等に登場しました。中でも専門誌ではないcasa BRUTUSが改修継承された 吉阪さんの名作「ビラクゥクゥ」谷口さんの「雪谷の住宅」を丁寧な記事にしました。わたしもこれらの住宅を改修前からトラストのメンバーとして見てきましたが、半世紀前のモダニズム建築に少しも古さを感じないことを実感しています。特に見事な改修がすみ 新たなオーナーのものとなっている姿にそれを強く思いました。今日新しく竣工したと考えておかしくない、少しも経過した時間を感じないのです。その強さがあるのです。その強さとは「モダニズム」がもつ強さではないかと思うのです。
わたしたちは少し焦っている、何かちょっと変わったことを考えたい、何か耳目を集める手段は無いかとあれこれ考え建築にさまざまな様相を纏わせます。それらの多くは思いつきの域を出ません。考えるための蓄積、考えるための時間がないからです。
そういえばバブル景気の只中ではポストモダン=モダニズム後、が喧伝され飽きられ急速に泡と消えました。
じつはわたしたちはいまモダニズムの只中にいるのではないか、まともなプログラムが建築を強くします。まともな素材、まともな環境性能、まともなディテールが建築を耐力のあるものにします。
慌たゞしい仕事ではなく、まともな仕事として建築を考えたい、改めてそう思います。