逗子の家
※2024年6月 継承されました
逗子の家
所在: 神奈川県逗子市
竣工: 2005年
構造: 木造2階建
設計: N設計室 永田昌民
造園設計: プランタゴ 田瀬理夫
施工: 安池建設工業
延床面積: 109.26㎡(約33.1坪)
敷地面積: 137.93㎡(約 41.8坪)
竣工時の用途: 住宅






住まい手のHさんからの希望は、シンプルで間取りを大きく活用できる家でありたい。小さい庭でもよいからアプローチを含めて一体感のある一体感のある自然と向き合って生活したい。バリアフリーで将来手入れがしやすく、人も訪れやすい印象をあたえる家でありたいとのことであった。
この家は基本的にHさん夫婦が住まわれるのだが、同居されている母上と妹さんが将来すむことがありうるので、そのことを考慮した案になっている。1階はできるだけ広々と生活できるように台所・食堂・居間が一体となる空間としている。居間のスペースは平屋(近接する南側の隣家と距離をとることで、2階の居室への日当たりを確保することと、南に位置する桜山の景観を楽しめるように配慮した)なので少し変化をつけるために緩やかなR天井にしている。
小さい庭ではあるが、東側に設けた庭レベルは居室の床レベルと同じにしている。そうすることで室内と庭が一体となりスペースの広がりを感じさせる。庭に関しては、いつも一緒に仕事を共にする造園家の田瀬さんに依頼しているが、竣工後6年経過したこの庭は植物であふれ、昆虫や野鳥が訪れる緑豊かなスペースになっている。
2階はご主人の書斎とご夫妻の寝室、妹さんの寝室を配置している。それぞれの寝室からは、南側に位置する緑豊かな桜山を季節に応じて楽しめるように配置している。
当初の計画では、道路に接する北側カーポートとアプローチであったが、カーポートはやめて緑豊かな北庭に。アプローチも緑のトンネルといってもいい状態で、樹木の隙間に建物が少し姿を見せている。

(永田昌民)


出典:『住宅建築』2011年12月号より(部分)