濱家住宅西洋館ROCHESTER:継承者をさがしています。
本邸ROCHESTERは、大正末期、成蹊学園によってアメリカから輸入・建設された初期ツーバイフォー構法による組立式規格住宅です。吉祥寺北町、成蹊学園にほど近い住宅地に残っています。成蹊学園の西に広がるの住宅地一帯は、大正期に成蹊学園とともに、三菱グループによってアメリカ式のライフスタイルを提示するという意識を持って開発されました。今も緑豊かで整然とした街並みにこのROCHESTERが残る意味は大きいと思われます。
本邸の継承者を急ぎさがしています。ご興味のある方は住宅遺産トラストへご連絡くださいませ。
info@hhtrust.jp 090-2407-3191
住宅遺産トラスト:濱家住宅西洋館ROCHESTER (hhtrust.jp)
どうぞよろしくお願い致します。
満員御礼:粟津邸見学会は満席となりましたので締め切らせていただきました。
7月1日&2日「粟津潔邸」(原広司設計/1972年)見学会
各位
平素より大変お世話になっております。
住宅遺産トラストでは、表記の「粟津潔邸」(原広司設計/1972年)の継承について考えております。つきまして、オーナーのご厚意により、見学会をさせていただくことになりました。ご都合よろしければ、是非お越しくださいませ。
「粟津潔邸」(原広司設計/1972年)見学会
◎日程
7月1日(土)
①グループ 13時00分~14時30分(定員30名)
②グループ 14:30時~16時00分(定員30名)
7月2日(日)
③グループ 10時00分~11時30分(定員30名)
④グループ 11:30時~13時00分(定員30名)
◎邸内では、原広司研究室OBである下記の先生方による解説をご覧いただけます。・今井公太郎(建築家・東京大学生産技術研究所教授)・南泰裕(建築家・国士舘大学理工学部理工学科建築学系教授)・山中新太郎(建築家・日本大学理工学部建築学科教授)◎申込制・ご希望のグループ(日にちと時間)を記載の上、info@hhtrust.jpへ、お申込みください。
・お申込の際、ご本人及び同伴者様(1名まで)のお名前、ご連絡先、ご所属をお書き添えください。
・先着順にて承り、人数に達しましたら締め切りとさせていただきますことをご了承ください。
・所在の詳細その他の留意事項については、お申込み確定後にお知らせいたします。
・お申込の確認まで2,3日かかることがございますのでご了承ください。1週間以上確認メールが届かない場合は、こちらで受信できていない可能性がありますので、お手数でございますが、再度お電話かメールでご連絡いただけますと幸いです。
・見学料(資料付):一般1,000円/1名様 ※住宅遺産トラスト会員無料
・当日の緊急連絡先:090-2407-3191(一般社団法人住宅遺産トラスト)
どうぞよろしくお願い致します。
旧南林邸(設計:安藤忠雄)
住まい手をさがしています
概要 竣工:1984年9月
建物構造:鉄筋コンクリート造(壁式構造)
敷地面積:237.5平米
建物面積:163.35平米 所在:奈良県生駒市 ※交通:近畿日本鉄道生駒駅より徒歩15分
各階専有面積 1階と3階の賃貸者募集
1階:65.35㎡+コート約43.56㎡ 2階:49.00㎡+テラス約16.33㎡
3階:32.67+テラス約16.33㎡
備考 ・定期借家契約(期間:3年間/再契約:相談可)/店舗など不特定多数の人の出入りのある業種は利用不可ですが、予約制など一部の業種は相談可/保証会社加入必須/要火災保険契約
・賃料その他のご質問については、下記へお問合せください。(info@hhtrust.jp 一般社団法人住宅遺産トラスト)
旧南林邸について
奈良県に位置する、当時の施主夫婦とその家族合わせて3世帯のために設計された住宅。3階それぞれ住宅機能が独立していながら、野外空間を共有のものとした家族のための贅沢な共同住宅である。門から入り階段を登って中庭に達することができる。奥の階段を再び降りたところに地階の玄関がある。後の住まい手であったとある女性はこの場所でワークショップを開いており、道路側、北東端の勝手口を重宝していたという。地階北西端にも勝手口が配置されており、回遊できるつくり、そして風の通り道を生んでいる。地階上の2階、3階にもそれぞれ異なるテラスを備えており、中庭との連動も相まってそれぞれの階に多様な表情がある。
修繕主より
次の所有者を募っていた旧南林邸。ご縁あり、初めて私がその場に足を踏み入れた時の印象は「見放された建築」というものでした。外部、内部ともにコンクリートは汚れ果て、部屋にはものが散乱し、各所に痛みが進み、建築に対して専門的な知識を持たない私が、この建築復旧の活動を進めていけるのかどうか不安を抱いたものでした。しかしそんな不安以上に、この建築が持つポテンシャル、手をかけて復旧することができれば、きっとその場にいる者の心を豊かにしていくであろうイメージを膨らませると、当時の私はワクワクが止まらなかったことを覚えています。
一見単純な比率のコンクリートの箱が持つ底知れない魅力は、修繕活動を始めてから10ヶ月の月日を重ね徐々に浮かび上がってきました。単純な形、それは純粋な形と呼ぶべきものだったのかもしれません。
安藤忠雄建築研究所、インテリアデザイナー高橋真之氏、そして住宅遺産トラストのご協力を経て、建築家の当時の設計思想を汲み取りながら現代的な視点を備えたインフラ機能を整えていくために施策を積み重ねてきました。古い建築の修繕において大切なコンセプトの1つとして据えていた「元々そうだったように/from the beginning」という修繕イメージを実現して下さる技術力を持つ専門業者様との出会いがあり、その上で初めて実現できた復旧活動であったと思います。
施工の過程においては、修繕が必要な箇所が次から次へと出てくる状況でした。コンクリートも鉄も木材も、どの素材も長い年月をかけて劣化しており、修繕に適した方法を用いなければ素材が正しく復旧しない性質を目の当たりにし、建築が生き物であるという世界観、そして古い建築修繕の難しさ、今後の保全活動の難しさについて身をもって多くの学びがありました。
外郭、骨にあたるコンクリートも構造もどうやら相当長生きしそうだということが分かっていく中で、修繕にあたり最も頭を悩ませたのは換気機能や排水機能などのインフラに直結する部分をどのように修繕するかという問題でした。一部を除いて、オリジナルの意匠をできるだけ残しながらの修繕を目指すこと条件を掲げた場合、専門的な知識と技術力を持つ工務店やメーカーでも施工の難しい換気扇交換、浴室排水トラップ交換など、内蔵や血管にあたるような部分を修繕する難しさに直面していました。問題に直面する度に業者様のリサーチを繰り返し、ようやく出会えた職人の皆様による挑戦的な施工があり、解決できた施工内容も多くありました。
建築家の当時の設計思想を慎重に汲み取りながら、現代生活に必要とされる機能水準を取り戻し、過去の住まい手が足した建て付けの家具は慎重に取り除いていきました。地階についてはキッチンスペースの最小限化をはかることで、今後この建築がより長く生きてくれるよう通気性が更に高まるような内部空間を実現することができました。
当時3世帯のために設計された共同住宅のうち、この度2戸の住宅(SOHO)をそれぞれ活用して下さる住まい手を募集致します。異なる個性を持つそれぞれのフロアを体感頂き、豊かに活用して下さる方とのご縁が持てましたら幸いです。人々がこの美しい空間を活用し始め、時間をかけて少しずつこの建築が「見放されることのない建築」として再び育っていくことを願っています。
訃報
冬季休暇 2022年12月30日~2023年1月4日
今年もお世話になりました。
2022年は、住宅遺産トラストにとって忘れられない年になりました。春にこれまでの活動について学会賞(業績)をいただき、また継承されたいくつかの住宅遺産が複数のメディアでまとまって紹介され、この10年(吉村順三の園田邸の活動を含めるとちょうど15年)の総括となりました。
住宅遺産トラスト内では、これまでの歩みを振り返りつつ、未来へ向けて何ができるだろう、私達の組織自体の継承についての議論も交わされています。
今後共、さまざまに皆さまのご教示お力添えを賜れましたら幸いです。
新年もどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞ佳いお年をお迎えください。
◎住宅遺産トラスト代表・野沢正光(12/23FBから部分転記)より
年末ですね。ちょっと振り返りますね。
今年は「住宅遺産トラスト」が関わるいくつかのモダニズム住宅の継承と改修がメディア等に登場しました。中でも専門誌ではないcasa BRUTUSが改修継承された 吉阪さんの名作「ビラクゥクゥ」谷口さんの「雪谷の住宅」を丁寧な記事にしました。わたしもこれらの住宅を改修前からトラストのメンバーとして見てきましたが、半世紀前のモダニズム建築に少しも古さを感じないことを実感しています。特に見事な改修がすみ 新たなオーナーのものとなっている姿にそれを強く思いました。今日新しく竣工したと考えておかしくない、少しも経過した時間を感じないのです。その強さがあるのです。その強さとは「モダニズム」がもつ強さではないかと思うのです。
わたしたちは少し焦っている、何かちょっと変わったことを考えたい、何か耳目を集める手段は無いかとあれこれ考え建築にさまざまな様相を纏わせます。それらの多くは思いつきの域を出ません。考えるための蓄積、考えるための時間がないからです。
そういえばバブル景気の只中ではポストモダン=モダニズム後、が喧伝され飽きられ急速に泡と消えました。
じつはわたしたちはいまモダニズムの只中にいるのではないか、まともなプログラムが建築を強くします。まともな素材、まともな環境性能、まともなディテールが建築を耐力のあるものにします。
慌たゞしい仕事ではなく、まともな仕事として建築を考えたい、改めてそう思います。
喜多源逸邸 秋の特別公開のお知らせ
2016年に保存・継承が実現した京都北白川の喜多源逸邸は、今年10月末に、外壁の修復工事が完了し、オリジナルの浅葱色の壁に戻りました。
現在、毎週金曜日 12:00〜15:00(16:00閉場)、主に北欧のヴィンテージ家具を扱うギャラリー’Relevant Object’として、一般公開(要予約・有料)されていますが、この度、秋の特別公開日が設けられました。
秋は庭の伊呂波紅葉がもっとも美しい季節です。この機会にぜひお立ち寄りください。
【秋の特別公開日】
11/17 12:00〜16:00(17:00閉場)
11/18 12:00〜16:00(17:00閉場)
11/19 14:00
〜16:00(17:00閉場)
11/20 12:00〜16:00(17:00閉場)
★入場料 2500円
から傘の家(篠原一男設計/1961年)ヴィトラ・キャンバスへ移築完了
1961年東京の地に建設された、篠原一男建築の住宅「から傘の家」は、諸事情を背景に、一般社団法人住宅遺産トラストを介し、スイスの家具メーカーであるヴィトラ社の財団ヘと継承されました。
篠原一男のアーカイブを管理する東京工業大学の全面的な指示とサポートのもと、2020年夏から始まった解体工事を経て「から傘の家」は海を渡り、2021年9月にドイツの地で再建工事が始まりました。2022年6月15日に再建と移築が完了。今は、ドイツのヴァイル・アム・ラインのヴィトラキャンパスにて一般の方に向けて広く公開されています。
「から傘の家」は、ヴィトラキャンパスにおける3棟目の日本人建築家による建築(安藤忠雄、SANAA、篠原一男)となり、世界のたくさんの方が日本の住宅文化を垣間見ることができるモニュメントとして、ドイツ、ヴィトラキャンパスの地にこれからもあり続けることになりました。
「牛久のギャラリー」(堀部安嗣設計)継承者求む
牛久のギャラリー(堀部安嗣設計/2001年)は、引き継いでくださる方を求めています。
新建築吉岡賞を受賞した堀部氏の初期代表作です。26日(月)にHHT会員を中心とした継承の為の見学会をいたしました。お越し頂けなかった方、下記のリンクよりご覧ください。堀部さんからの応援動画も視聴いただけます。(ドラム演奏は堀部安嗣氏)https://hhtrust.jp/hh/ushiku.html
◎問い合わせ先:info@hhtrust.jp
VILLA COUCOUの継承
VILLA COUCOU(吉阪隆正設計/1957年)は、昨年、素敵な方に継承されました。
「解体の可能性さえあった《ヴィラ・クゥクゥ》をご縁あって引き取らせていただき、竣工当時の姿にできるだけ戻すよう、修復工事を進めている最中です。そんな矢先に、吉阪という建築家について理解を深める絶好の展覧会が開かれるとあって、自分の勉強のためもあり、楽しみに駆けつけました」と鈴木京香さん。https://casabrutus.com/posts/300180…