冬季休暇 2022年12月30日~2023年1月4日

今年もお世話になりました。

2022年は、住宅遺産トラストにとって忘れられない年になりました。春にこれまでの活動について学会賞(業績)をいただき、また継承されたいくつかの住宅遺産が複数のメディアでまとまって紹介され、この10年(吉村順三の園田邸の活動を含めるとちょうど15年)の総括となりました。

住宅遺産トラスト内では、これまでの歩みを振り返りつつ、未来へ向けて何ができるだろう、私達の組織自体の継承についての議論も交わされています。

今後共、さまざまに皆さまのご教示お力添えを賜れましたら幸いです。

新年もどうぞよろしくお願いいたします。

どうぞ佳いお年をお迎えください。

◎住宅遺産トラスト代表・野沢正光(12/23FBから部分転記)より

年末ですね。ちょっと振り返りますね。    

今年は「住宅遺産トラスト」が関わるいくつかのモダニズム住宅の継承と改修がメディア等に登場しました。中でも専門誌ではないcasa BRUTUSが改修継承された 吉阪さんの名作「ビラクゥクゥ」谷口さんの「雪谷の住宅」を丁寧な記事にしました。わたしもこれらの住宅を改修前からトラストのメンバーとして見てきましたが、半世紀前のモダニズム建築に少しも古さを感じないことを実感しています。特に見事な改修がすみ 新たなオーナーのものとなっている姿にそれを強く思いました。今日新しく竣工したと考えておかしくない、少しも経過した時間を感じないのです。その強さがあるのです。その強さとは「モダニズム」がもつ強さではないかと思うのです。

わたしたちは少し焦っている、何かちょっと変わったことを考えたい、何か耳目を集める手段は無いかとあれこれ考え建築にさまざまな様相を纏わせます。それらの多くは思いつきの域を出ません。考えるための蓄積、考えるための時間がないからです。

そういえばバブル景気の只中ではポストモダン=モダニズム後、が喧伝され飽きられ急速に泡と消えました。

じつはわたしたちはいまモダニズムの只中にいるのではないか、まともなプログラムが建築を強くします。まともな素材、まともな環境性能、まともなディテールが建築を耐力のあるものにします。

慌たゞしい仕事ではなく、まともな仕事として建築を考えたい、改めてそう思います。

https://casabrutus.com/posts/324627
https://casabrutus.com/posts/331536

喜多源逸邸 秋の特別公開のお知らせ

2016年に保存・継承が実現した京都北白川の喜多源逸邸は、今年10月末に、外壁の修復工事が完了し、オリジナルの浅葱色の壁に戻りました。

現在、毎週金曜日 12:00〜15:00(16:00閉場)、主に北欧のヴィンテージ家具を扱うギャラリー’Relevant Object’として、一般公開(要予約・有料)されていますが、この度、秋の特別公開日が設けられました。

秋は庭の伊呂波紅葉がもっとも美しい季節です。この機会にぜひお立ち寄りください。

【秋の特別公開日】

11/17 12:00〜16:00(17:00閉場)

11/18 12:00〜16:00(17:00閉場)

11/19 14:00

〜16:00(17:00閉場)

11/20 12:00〜16:00(17:00閉場)

★入場料 2500円

★ご予約先 https://relevant-object.squarespace.com/appointments

から傘の家(篠原一男設計/1961年)ヴィトラ・キャンバスへ移築完了

1961年東京の地に建設された、篠原一男建築の住宅「から傘の家」は、諸事情を背景に、一般社団法人住宅遺産トラストを介し、スイスの家具メーカーであるヴィトラ社の財団ヘと継承されました。

篠原一男のアーカイブを管理する東京工業大学の全面的な指示とサポートのもと、2020年夏から始まった解体工事を経て「から傘の家」は海を渡り、2021年9月にドイツの地で再建工事が始まりました。2022年6月15日に再建と移築が完了。今は、ドイツのヴァイル・アム・ラインのヴィトラキャンパスにて一般の方に向けて広く公開されています。

「から傘の家」は、ヴィトラキャンパスにおける3棟目の日本人建築家による建築(安藤忠雄、SANAA、篠原一男)となり、世界のたくさんの方が日本の住宅文化を垣間見ることができるモニュメントとして、ドイツ、ヴィトラキャンパスの地にこれからもあり続けることになりました。

写真提供:VITRA JAPAN

「牛久のギャラリー」(堀部安嗣設計)継承者求む

牛久のギャラリー(堀部安嗣設計/2001年)は、引き継いでくださる方を求めています。

新建築吉岡賞を受賞した堀部氏の初期代表作です。26日(月)にHHT会員を中心とした継承の為の見学会をいたしました。お越し頂けなかった方、下記のリンクよりご覧ください。堀部さんからの応援動画も視聴いただけます。(ドラム演奏は堀部安嗣氏)https://hhtrust.jp/hh/ushiku.html

◎問い合わせ先:info@hhtrust.jp

VILLA COUCOUの継承

VILLA COUCOU(吉阪隆正設計/1957年)は、昨年、素敵な方に継承されました。

「解体の可能性さえあった《ヴィラ・クゥクゥ》をご縁あって引き取らせていただき、竣工当時の姿にできるだけ戻すよう、修復工事を進めている最中です。そんな矢先に、吉阪という建築家について理解を深める絶好の展覧会が開かれるとあって、自分の勉強のためもあり、楽しみに駆けつけました」と鈴木京香さん。https://casabrutus.com/posts/300180…

https://casabrutus.com/posts/300180

2022年日本建築学会賞(業績)

皆様

平素より大変お世話になっております。
この度、住宅遺産トラストの活動が「2022年日本建築学会賞(業績)」をいただくことになりました。住宅遺産トラストの設立から約10年、旧園田高弘邸の活動を始めた2008年から約15年、皆さまよりいただいた多大なるお力添えの賜物です。あらためて心より御礼申し上げます。

Microsoft Word – 08_2022年学会賞(業績).docx (aij.or.jp)

地域のささやかな作業から始まった活動ですが、これを励みとして、さらに多くの方々と手を携え、貴重な住宅建築を大切にする社会に向けて精進してまいりたいと思います。今後共、ご指導ご鞭撻のほど、何卒宜しくお願い致します。
略儀ながら、感謝とご報告を申し上げます。


一般社団法人 住宅遺産トラスト

代表理事:野沢正光

理事:木下壽子、新堀学、田村誠邦、林泰義、吉見千晶監事:松隈章

3月11日~13日:朝井閑右衛門アトリエ/最後の見学会

この春、鎌倉の朝井閑右衛門アトリエが無事に継承されることになりました。

◎朝井閑右衛門アトリエについて:住宅遺産トラスト:朝井閑右衛門アトリエ (hhtrust.jp)


今後、本邸は、新しいオーナーのもと、朝井閑右衛門アトリエのしつらえを残しながらも、若いアーティストや職人達が、自分たちの手で必要な改修を施しつつ、作品制作や展示をする空間として、利用・保存される予定です。
新しいステージにはいる朝井閑右衛門アトリエを、引き続き応援、お見守りいただけましたら幸いです。


つきまして、下記のとおり、継承前に、最後のオープンアトリエを下記のとおり開催いたします。


◎日時:3月11日(金)、12日(土)、13日(日)
    午前11時~午後4時(最終入場は午後3時30分)

◎所在:鎌倉市由比ガ浜 ※詳細はお申込み後にお知らせいたします。

◎アクセス:JR「鎌倉駅」から徒歩17分。江ノ島電鉄「和田塚」駅から徒歩10分。

連絡・問い合わせ先:一般社団法人住宅遺産トラスト/info@hhtrust.jp    080-3215-1044

◎申込制(入場無料)※コロナ感染下の実施の為、密回避いたしたく予約制とさせていただきます。
下記をご記載の上、お申込みをお願い申し上げます。

・申込先:一般社団法人住宅遺産トラスト/info@hhtrust.jp    080-3215-1044

・ご希望日(3月11日、12日、あるいは13日)

・お名前・ご連絡先(急な変更の時ご連絡がつくメールあるいは携帯番号)

・ご所属など

・13日にお申込の方のに、お弁当の有無 ※下記「◎お弁当販売」を参照。


お弁当販売:申込制/税込み1,000円/3月13日(日)のみ、葉山「風と森」さんのお弁当を販売いたします。ご希望の方は、お申込みください。アトリエ内で、密を避け、召し上がっていただくこともできます。

※「風と森」お弁当:葉山の小さな畑で無農薬、不耕起栽培で育った野菜の精進弁当。手作りのお醤油、お友達が作るお塩など、新鮮・安心の食材で、お料理上手なオーナー智代さんが心を込めて作るお弁当です。お弁当 – 風と森 (kazetomori.jp)

ご参加をお待ちしております。
どうぞよろしくお願いいたします。

謹賀新年

あけましておめでとうございます。

旧年中はお世話になりました。続くコロナ禍にて、見学会、演奏会など開催することもかなわない日々でございましたが、多大なお力添えをいただき、下記の貴重な住宅建築が継承されました。

「森の別荘」(妹島和世/1994年)

「VILLA COUCOU」(吉阪隆正+U研究室/1957年)

「G邸(旧中村邸)」(浜口ミホ/1965年)

各邸は、新しいステージに向けて、修繕等の準備をしております。

「から傘の家」(篠原一男/1961年)は、コロナ下に無事ドイツの地へ到着し再建の途上にあります。

リアルにはお目にかかれない中、昨年に引き続き、オンラインにてトークイヴェント「住宅遺産からの便り」を開催しました。

先行き不安定な時代ですが、住宅遺産トラストの活動を通じては、さらに多くの方々が住文化へ真剣なまなざしを向けてくださっていることを痛感します。

本年もどうぞよろしくお願い致します。

新しい年が皆様にとって素晴らしいものとなりますように。ご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。一般社団法人住宅遺産トラスト

※ 冬期休暇 2021年12月25日~2022年1月5日