• VILLA COUCOU(近藤邸)
  • 増田夫妻のアトリエ(アトリエNo.7)
  • G邸(旧中村邸)
  • 旧 足立正 別邸
    ※2020年に継承されました。
    所在: 神奈川県三浦郡葉山町
    竣工: 1933年
    構造: 木造2階建
    設計: 佐藤功一
    施工: 酒井工務店
    延床面積: 264.45㎡(約80.00坪)
    敷地面積: 1,696.22㎡(約513.11坪)
    竣工時の用途 : 住宅

    ◆ 旧足立正氏 別邸について

    旧足立正氏別邸は、1933年(昭和8年)に建てられた洋風別荘住宅で、施主は実業家である足立正、設計は大隈記念講堂等の設計した早稲田大学教授の佐藤功一である。葉山町の貴重な別荘建築群のひとつであり、ハーフティンバー様式(※1)による魅力的な外観、時代性を反映した内外の質の高いデザイン、建築材料として「トマテックス」(※2)が全面的に使用されている点も特徴である。

    戦後に現在の当主に引き継がれ、そのご子息が所有されている。1階の浴室や化粧室部分の改修はあるものの、創建時の貴重な姿が現在も維持されている。

    ※1 ハーフティンバー:
    柱などの建築部材が外側に露出したものである。また、このハーフティンバーは、イギリスのスタイルとしても知られていることから、「英国カッテージ風」とも称されている。近代以降の欧米建築様式の導入過程の中で、このハーフティンバーは、真壁構造という建築の構造材を露出させるわが国の伝統建築と共通した様式として、とりわけ好まれた。
    ちなみに旧足立邸のハーフティンバーの外壁に露出している部材は、建築の構造材がそのまま露出しているのではなく、杉材の付け柱である。木栓が打ち込まれたデティールが特徴となっている。

    ※2 トマテックス(商品名)
    施主足立正氏の所属していた王子製紙により開発された植物繊維板。
    この住宅では、内外壁ともに全面的に使用されている。

    ◆ 施主・足立正(1883-1973)

    日本の実業家・財界人。王子製紙社長、日本商工会議所会頭などをつとめた。

    ◆ 設計者・佐藤功一(1878-1941)

    戦前期に活躍した日本の代表的な建築家の一人。
    早稲田大学建築学科の創設に関わり、早稲田大学教授として建築教育にも携わった。

    (主な作品)
    早稲田大学大隈記念講堂(1927年)、岩手県公会堂(1927年)、群馬県庁舎(1928年)、日比谷公会堂・市政会館(1929年)、米子市庁舎(1930年)、津田塾大学(1932年)、滋賀県庁舎(1939年)等。官庁建築と公会堂建築が多く、住宅作品は極めて少ない。

    (旧足立正氏別邸調査報告書2015年3月(神奈川大学工学部建築学科 内田青蔵研究室)より抜粋)