富士見の家※ 2014年6月 継承されました
現在の用途 : 個人所有
所在: 東京都千代田区
敷地面積: 105.91㎡
竣工: 1970年
設計: アントニン・レーモンド
施工: 佐藤秀工務店
構造: RC造 地下1階 地上3階建
延床面積: 231.7㎡

新前川國男邸画像


◆ 「富士見の家」について

「富士見の家」と名付けたのは、「一般社団法人 住宅遺産トラスト」で、見学会(2013年暮)の呼びかけのためであった。建主の外科医吉田一家の残した家の外観は昔のまま、アントニン・レーモンドが1970年に83歳で設計した、コンクリート造は健全だった。彼とノエミ夫人の指示で、私の在籍時の同僚、ベテランの2人が担当した作品である。
JR線飯田橋駅西口を出て、神楽坂と反対方向に5分の富士見町1丁目の40坪の敷地に延70坪。吉田夫人はフランス人で、ノエミ夫人と話しが合ったのだろう。子供6人が歩いて通えるフランス人学校に近い敷地が選ばれた。半地下の道路側に車庫と玄関があり、2階と見える1階に居間のバルコニーとプランターの緑が見え、2、3階のセットバックにも緑が見える。平面の特長は中心部の径2.5mの円筒階段、1階は広い居間、食堂と厨房、2階に家族室と子供部屋4室、3階に主寝室と2室の子供部屋。南面するセットバックはレーモンドには珍しい。そして居間の道路側が直線でなく、くの字に曲がって、一部がバルコニー、その全面が障子というのも変わっている。このセントラル暖房で快適な家に吉田医師は35年程暮らし、生涯を全うした。

三沢浩(建築家)