設計: | 高橋昭 |
所在: | 埼玉県草加市 |
竣工: | 1970年 |
構造: | 木造2階建て |
延床面積: | 185㎡(約56坪) 1階床面積149㎡ 2階床面積36㎡ |
敷地面積: | 783.46㎡(約237.4坪) |
竣工時の用途: | 住宅 |
施工: | 真木建設 |
萩原 剛
この住宅は東京近郊の恵まれた広さを持つ敷地に今も建つ。設計は東京大学出身で岸田日出刀の最晩年の弟子でもある高橋昭である。敷地の北西に椿や山茶花を配した北庭を、南東に桜や梅といった花木を配した南庭をもつ。平面は東、中央、西の3ブロックかで構成され、南に向かって45度の方向に開放された空間構成である。外観は東と西が寄棟、2階に子供室の乗る中央部がこの45度の対角軸を棟とする独自の形態を有している。中央部の1階は北庭に食堂が面し、南庭と同一レベルにあるリビングは直径5寸の杉丸太柱が支える2階床の架構があらわしとなった力動的空間となっている。一方、東西の和室は新日本調とも言える穏やかなしつらえである。一見、桂離宮を想起させる雁行配置は岸田の名著「過去の構成」からの教えなのかもしれない。施工は現代の宮大工と評された「大文」こと田中文夫率いる眞木建設である。